大山北壁を元谷から眺める |
ついでに、トイレも建て替えで無くなっている。冬靴でカタンカタンと音を立てながら、大神山神社まで進む。石敷きの参道は階段まで雪がなく、壮麗な社殿の屋根には雪がついていなかった。元谷から上宝珠沢までも雪が締まって歩きやすく、岩肌が見えているところもあった。大屏風岩を下から眺め、登攀装備を着用しOOEとADAがアンザイレンする。私はフリーで上がったり下がったりして助言した。
7ピッチ刻んでルンゼを抜けるとユートピア小屋がすぐそこに見えた。ユートピア小屋で積雪期に寝たことがなかったので、今度行ってみようとか考えながら眺めた。振り返れば、モノトーンのコントラストが効いた北壁が、手招きしているようにも見えた。その姿は美しく、モチベーションも上がってきた。OOEもADAも、雪訓の成果を感じ、しっかり理解できたようだった。帰りは、肩がらみの懸垂下降で降りて、途中から滑落停止訓練をして下まで降りた。寒波の始まりがやってきたようで、私たちのトレースは消えていた。車の中で、反省会をして、次回までにお互いが復習をしてくることを約束して今回の山行を終了した。
みんなおじさんだから、無理しないで楽しくやれればいいと思っているが、今回のような雪訓や北壁登攀は別。大きな声を出し続けて喉が枯れた。
命を預けたり預かったりするわけだから、特に真剣にしないといけない。