2017.12.18(月)
初冬期のフカフカした雪の季節には、大休峠や野田ケ山、大山北尾根や七合尾根のラッセル山行を経験してきたが、体力を消耗する長い山行になりきつい。楽しいのは、せいぜい行き始めた頃で、1,2回で飽きるという人もいるかもしれない。私は長いラッセルが苦手だ。このラッセルを外して、しかも、BCではないルートを選定するのには、いつも難儀する。この季節、ラッセルがなくて済むのは夏山登山道なのだが、人も多く登る気にならない。できればスキー場でリフトに乗って快適に過ごしたいと頭の片隅にあるのも事実だ。しかし、OOEやADA達、深い絆で繋がれた山仲間と一緒に過ごす時間に勝るものはないのである。ということで、体力に不安もあるが、逃れられないラッセルということならば、果敢に深雪に挑もうじゃないか!という意気込みで計画を立て、雪の柔らかく吹き溜まる大の沢に挑むことにした。積雪は膝上くらいでも、斜度が増すと腰まで埋まる。汗と解けた雪でザックまで濡れた。風の強い森林限界を超えると、ジャケットの内側も凍ってしまう。いつもよりも寒さを感じる雪だった。ガスで景色の見えない世界に虚しい努力を感じ、頬を叩く氷の痛みが、冷たさで鈍感になった。今回の山行はADAが久しぶりに同行してくれた。大山のラッセルは初めてのようで厳しい表情が続いた。ルームランナーを走るように変わらない景色を、牛歩のように歩み続けて6時間。高度はまだ1330mだった。体力に不安があり、停滞する時間が多かった為、先頭は指先にしびれを感じ、体も冷えていた。体温を上げるために登ると差が開き、登ってくるのを待つと体温が下がる。これを繰り返すと低体温症になり危険だ。山頂までは行きたいという気持ちは強かったが、提出した登山計画に2時間の遅れが生じていた。この雪質なら、メンバーの体力も限界も近いだろうと思った。久しぶりの撤退だった。安全に下山できる判断ができたことは良かったと思っている。しかし、大山においては、安易に撤退すべきではないとも思っている。そもそも、撤退するような登山計画を立てることが間違いであり、撤退ありきで山行を実施することは、もってのほかだと思っている。
不確定要素の高い所は、メンバーの技量をよく見つめて、チームの総合的な登山力に応じた計画が必要だ。個人山行においても同じで、自身の登山力に応じた山行計画を立てることが感じだと思う。登山力とは、計画と実践を繰り返して行う経験の積み重ねと言えるかもしれない。練りに練った登山計画に沿った山行を行うことができるようになると、安全に、新しいルートに挑むことができると思う。私たちも若くはなくなった。でもまだ、もう少しやれるとも思っている。登山計画を綿密に立て、モラルと強い自制の心をもって、大山に対峙してまいりたいと思っている。
DAT山行計画
DAT 4月山行計画案内
4月9日(月) 大山:矢筈谷or三鈷峰北東ルンぜMK OOE
4月14日(土) 大山:桃源郷キャンプ MK オープン参加
4月15日(日) 大山:春の恵みを感じる山行 MK オープン参加
4月23日(月) 大山:甲川(予定)MK OOE
オープン参加の山行 4/15残雪の桃源郷 6/17甲川キャニオリング 8/14・15甲川キャンプ&沢登り 10/21紅葉の藪漕ぎ矢筈谷&キノコ観察 12/16 初冬期の雪の輝き大山一の沢
2017年12月21日木曜日
2017冬 大山:私が想う冬の大山
12月初冬の大山南壁 |
2017年11月27日月曜日
2017秋 大山:一の沢 積雪期限定山行
雄々し剣ヶ峰 |
美しい南壁 |
一の沢源頭 |
アイゼンもワカンもどこかで使えるとこはないかと探したが、今回は使うところがまったくなかった。いつもはクラストする上部もモナカのままで、キックがよく効いた。ピッケルも後ろに刺したままで、出番はなかった。帰りは前々回と同じく正面を下った。2名の女性がサングラスをして上がってくるところに遭遇した。下降を始めたときに気が付いたため、せっかくのノントレースを下山の私たちが汚してしまって申し訳なく思った。
冬はすぐそこ |
2017年11月24日金曜日
2017秋 大山山系里山古道調査
神聖な池にかかる薄雪 |
雪の道を探訪する |
雪に映える黄や赤、樹の影 |
この夏の沢登教室に始まり、某所で行われた紅葉のトレッキングツアーに至っては、ルートの調査や伐開に協力させていただいた。DAT創設の初の活動で、素晴らしい道を創造することに協力させていただけたことは、とても光栄である。この魅力あるルートが「山と渓谷」でプレスリリースされることが決まっている。それまでは、誠に残念ではあるが詳細は控えたい。ゆくゆくは、初冬期、厳冬期、残雪期と、魅力ある古道の姿を、ここでも詳しく紹介したいと考えている。
2017年11月10日金曜日
2017秋 大山 D・A・T チームブログ開始。
真ん中の沢は横手口沢 |
秋の景色は特に美しい。カエデの鮮やかな赤は気分を高揚させ、ブナの黄色は楽しく笑顔にさせる。 空の青は心をクリアにリセットさせ、ひらひら落ちるナラの葉は、斜陽に照らされモーブの美しさを際立たせる。秋の美しさに透明感は欠かせない。心が汚れているほど、敏感に透明感を感じるように思う。
冬支度の大山 |
氷の付いた木道を渡りながら |
山は誰と何処から登ろうが自由だ。
自由だからこそ、自分を律するモラルが重要だ。好きにやって良い自由はない。
この径は、無雪期も積雪期も何回も下ったが、登ったのは今回が初めてだった。知っているのと分かるのは違う。私の知っている大山はたくさんあるが、分かっている大山はほんの僅かだろうと今回思った。新しい山が始まる。心強い相棒と山頂に立ち凛とした空気に、気が引き締まる思いがした。
山行メンバー OE MK
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