|
輝く別山 |
1月と2月の厳冬期は、仕事の事情で毎年忙しい。その中でも、毎年一回は登っておきたい弥山尾根西稜に向かった。体力と度胸だけで登っていた2,3年前が非常に恋しい。核心を抜けたあたりから、バテバテになった。20歩進んでは呼吸を整えるのに止まってしまう。肩で息をするようなことは、今まで一度もなかったのに情けない。とは言え、パートナーのOOEと最高にスッキリする山が久しぶりにできた。山に向かう相棒がいるということは、山をするものにとって、この上ない喜びと言える。お互いが切磋琢磨し研鑽し、山を通して学びあえることは、簡単なようで難しい。気難しい私は誰とでも簡単に仲良くなれるタイプではないが、今回の山を通して、心から信頼できる仲間がいることに、感謝の気持ちでいっぱいだ。何回も行ったルートにも、毎回新しい発見や感動がある。ましてや、初めて挑むルートを攻略できた時には、その感動はますます増幅し、日常では感じることのできない体験となる。DATのメンバーにも、大山を通じて体験したことのないような感動を味わってほしいと考えている。休みを合わせるのは大変だと思うが、第3日曜日の山行にはぜひ参加していただきたい。奥深い大山を通して、仲間の絆を深めてい行きたいと考えている。
|
雪焼けのOOE |
このところ、気温が高く雪もすぐにグズグズする。できるだけ早く雪が締まった上を歩きたいので、08:00取り付きを目指す。取り付き直下は雪が緩いが、弥山沢にはデブリがありその上は固かった。北壁全体を観察すると、いたるところで雪崩の痕跡が確認できた。この弥山沢の雪崩も、前日の夕方に発生したものだと思われる。弥山沢、別山沢、8合沢の雪崩は夕方によく目撃する。十分に注意をしていただきたい。弥山沢を別山の横顔が見えるところまで上がり、そこから弥山尾根西稜に向かって直登する。上部は反り立っており、心細い灌木にビレイをとって尾根を乗り越す。雪の量は毎年この時期はこんなものだろうと思うが、雪に締りがない。雪質が悪くてピッケルが刺さらない。
|
もう少しで抜けるのだがズボズボ |
いつもは何ともない所でも、ひやひやするようなクライミングになる。アイゼンの先は、かなり深い所で岩に当たっているような感じで、12月に行った北壁を思い出した。50mのロープを目一杯伸ばして5ピッチたっぷり楽しめた。尾根の上部は緩やかな傾斜だが、雪がズボズボはまって前に足が出ない。これは本当にきつかった。帰りは、7号尾根を越えたあたりから、高速シリセードで一気に元谷に滑り降りた。楽ちんで早い。寝そべって空を見ながら楽しかった。
|
デブリの上を歩く |
一日たって、思い起こしながら記事を書いているが、ふくらはぎがパンパンだ。
歳かタバコか酒の影響か?いろんな理由はあるだろうが、体は必ず老いるし弱くなる。そうなっても楽しめる工夫や経験を生かして、これからも仲間たちと存分に大山を楽しんでいきたい。